痛風(つうふう)とは、血液中の尿酸値が高くなること(高尿酸血症)が原因で、
関節の中に尿酸の結晶ができ、激しい炎症と痛みを引き起こす病気です。

「風が吹いただけでも痛い」ということからその名がついたと言われるほど、発作時の痛みは強烈です。
かつては贅沢病とも呼ばれましたが、現在は食生活の欧米化やライフスタイルの変化により、
30代〜50代の働き盛りの男性を中心に、非常に身近な病気となっています。
痛風の原因と症状

原因
最大の原因は「高尿酸血症」です。
体内で作られる尿酸の量が増えすぎたり、排出がうまくいかなくなったりすることで、血液中の尿酸濃度が高まります(通常7.0mg/dL以上)。
この状態が続くと、溶けきれなくなった尿酸が結晶化して関節に溜まり、それを白血球が攻撃することで炎症が起きます。

- 食生活:プリン体を多く含む食品の過剰摂取
- アルコール:ビールに限らず、アルコール自体が尿酸値を上げます
- ストレス・激しい運動:エネルギー消費に伴い尿酸が産生されます
- 遺伝的要因:体質的に尿酸値が高くなりやすい方もいます
症状
〇痛風発作
典型例としてはある日突然、足の親指の付け根などが赤く腫れ上がり、激痛が走ります。
痛みは24時間がピークで、1週間〜10日ほどで自然に治まることが多いです。
足の指以外にも、あらゆる関節に発症する可能性があります。
〇痛風結節
治療せずに放置すると、関節や耳たぶなどに「コブ」のようなしこりができます。
また合併症(腎臓機能の悪化や尿路結石、動脈硬化)のリスクを高めます。
痛風の検査
当院では、以下の検査を用いて診断を行います。
【血液検査】
血中の尿酸値(UA)を確認します。
また、腎機能や炎症反応(CRP)もチェックします。
【レントゲン検査】
骨の変化や、他の関節疾患(外反母趾や関節リウマチなど)ではないかを確認します。
【超音波(エコー)検査】
整形外科ならではの検査です。
関節内に尿酸の結晶が溜まっている様子や、炎症の程度を視覚的に確認します。
痛風の治療
治療は「発作の痛みを止める治療」と「尿酸値を下げる治療」の2段階で行います。
- 痛風発作の治療(急性期)
まずは強烈な痛みと炎症を抑えることを最優先します。- NSAIDs(消炎鎮痛剤):炎症を抑え、痛みを和らげます。
- コルヒチン:発作の前兆がある場合や、発作初期に使用します。
※発作中に急に尿酸値を下げる薬を飲み始めると、かえって発作が悪化・長期化することがあります。
まずは炎症が治まるのを待ちます。
- 尿酸値を下げる治療(維持期)
発作が治まった後、再発を防ぐために尿酸コントロールを開始します。- 尿酸降下薬:尿酸の生成を抑える薬や、排泄を促す薬を使用します。
目標値は、尿酸値 6.0mg/dL以下 の維持を目指します。
- 尿酸降下薬:尿酸の生成を抑える薬や、排泄を促す薬を使用します。
痛風の予防法

・激しい無酸素運動は避ける
筋肉を酷使する筋力トレーニングや、ダッシュなどの激しい無酸素運動(息が切れるような運動)は、新陳代謝を急激に活発化させ、かえって尿酸値を上昇させる原因になります。また、発汗による脱水もリスクとなります。
・「有酸素運動」を取り入れる
ウォーキング、軽いジョギング、サイクリング、水泳などの有酸素運動が推奨されます。
肥満の解消にもつながり、尿酸値の低下に効果的です。
目安は軽く汗ばむ程度で、会話ができる強度の運動を1日20分以上行うのが理想です。
・足への負担を減らす
痛風は足の親指や足首、膝に出やすい病気です。
体重の増加は関節への負担となり、炎症の引き金になりかねません。
適正体重を保つことは、痛風予防だけでなく、変形性膝関節症などの予防にもつながります。クッション性の高い靴を選ぶことも大切です。
痛風に関するよくあるご質問
Q. 痛みが治まったので、薬をやめてもいいですか?
A. 自己判断での中断は危険です。
痛み(発作)が治まっても、体内の尿酸値が高い状態は変わっていません。
薬をやめると再び結晶が蓄積し、再発する可能性が非常に高いです。
また、放置すると腎臓が悪くなる恐れもあります。医師の指示に従って継続しましょう。
Q. ビール以外のアルコールなら飲んでも大丈夫ですか?
A. 種類に関わらず、飲み過ぎには注意が必要です。
「ビールはプリン体が多い」と有名ですが、実はアルコール自体に尿酸値を上げる作用があります。焼酎やウイスキー、ワインなら安心というわけではありません。
休肝日を作り、適量を心がけましょう。
さらに、アルコールを飲む際に食べる食事にはプリン体が多く含まれるものが増えがちですので、なるべくプリン体の少ない食事を選ぶようにしてください。
Q. 痛風は足の親指以外にも出ますか?
A. はい、出ることがあります。
足の親指の付け根が最も典型的(約7割)ですが、足首、足の甲、アキレス腱、膝、手首、肘、耳たぶなどにも発症することがあります。
関節が赤く腫れて痛む場合は、早めに受診してください。
当院では、痛風による急な関節の痛みの処置はもちろん、その後の内科的なコントロールまで一貫してサポートいたします。
「もしかして痛風かも?」と思ったら、我慢せずにご相談ください。